色彩人類学
インタビュー|私と色の出会いと未来 #006 山本恵子さん
CLE 協会で色を学び自分らしく活動を広げている診断士をご紹介させていただくコラム「私と色の出会いと未来」
第 6 回目の今回は、山本恵子さんにインタビューさせていただきました。
私はもともと雑貨屋で働きたいという思いがあり、就職のために色彩に関する資格を取得しました。しかし、資格取得のための勉強という感じで、取得後は色彩の知識をいかしづらく感じていました。
その後、色に対する興味が強かった私は、ネイリストの道へ進みました。ある時、お客様が選んだ色が思ったように似合わないことがありました。また、若い頃には似合っていた色が、年齢を重ねるにつれてしっくりこなくなることもあり、色選びの難しさを感じていました。
ちょうどその頃、「イエベ」「ブルベ」といったパーソナルカラーが話題になっており、これならネイルの似合う色、似合わない色もわかるかもと思っていました。
そんな中、通っていたネイルスクールで山名未紗先生が「ベージュレッスン」を開催されていました。これから「イエベ」「ブルベ」のレッスンも行う予定だと話されており、ネイリストとしての色彩学を深める良い機会だと感じ、ネイリストのための色彩学1期生として色の学びを再スタートしました。
後列右が山本さん
後列中央左が高田裕子教会長、中央右が山名未紗先生
私はもともと色が好きでした。CLEでの学びはとても面白く、真面目に勉強するだけでなく、豆知識も入れた講座に、興味と探求心が刺激されました。
当初、私はパーソナルカラーアナリストになるとは考えておらず、一歩手前のカラーコンシェルジュを目標にしていました。そんな中、高田裕子先生や山名未紗先生のパワーに惹かれ、「影響力のある人になりたい」という思いが芽生え、パーソナルカラーアナリストまで目指しました。
実際に、高田裕子先生がネイルのお客様にパーソナルカラー診断をされた場面を見たことがあります。そのお客様はとても喜んでくださって、ネイルの施術時間よりも短い1時間のカラー診断でも「これほどお客様に感動していただけるんだ」と驚きました。
中央左が山本さん
一番右が高田裕子教会長
これまでいろいろな仕事をしてきました。最初は雑貨屋さんで働いていて、その後フィットネスジムのコーチになり、現在はネイリストをしています。
フィットネスジムで働いていたときは、ひとつの会社がフランチャイズとして複数の店舗を運営している形でした。実際に入ってみると、組織がぐちゃぐちゃで大変でした。ずっと働きたいと思って入社したのですが、難しかったです。
ネイルにはもともと興味がありました。ただ、自分でネイルをするのは好きでも、お客様に施術することはまた別だと感じておりました。
ただ、フィットネスジムのコーチの仕事では、お客様の目標に寄り添って「なりたい姿」を一緒に叶えていくというやりがいがありました。この点はネイルの仕事にも通じるところがあります。お客様の理想を形にするという意味では、ネイルでも同じように貢献できると感じ、ネイリストを目指しました。
ネイリストに転身する前
お客様のなりたいに寄り添ってそれを実現するお手伝いができることです。
-似合う色を知る前-
もともと「自分に似合う色」にはあまり興味がありませんでした。基本的には、自分の好きなものを着ればいいと思っていたんです。
前職では、新人トレーナーのコーチをしたり、面接をしたり、インターンの受け入れをしたりするときに、「しっかりしている自分」を演じる必要がありました。洋服を買う時は「若くて大丈夫なの?」と思われないように、黒い服を選ぶようにしていました。
でも、写真を見返すと、自分が暗くて疲れて見えます。実は、自分の好きな色は「サマータイプ」の色。そういう色を見ると「やっぱりこっちが好きだな」と思う一方で、「でもこれって疲れて見えないかな?」と気になったりもします。
-似合う色を知ってから-
もともと、オータムタイプの色が好きでした。濁った色が好きで、それが自分に合っているとわかって、しっくりきました。
今は、黒は着なくなりました。以前は、仕事や役割の中で「こう見せなきゃ」と自分を演出したり、頑張らなきゃいけなかった。でも、そういう力がふっと抜けて、気持ちが楽になったんです。
その変化のせいか、見た目について褒められることが多くなりました。
一番多いのは、「楽しかった」「面白かった」というお声です。 あとは、「知ることができてよかった」「内面まで知れて深かった」という感想もよくいただきます。
皆さん、診断後すぐに似合う色の服やアイテムを買って帰ったとおっしゃいます。ネイリストなのでパーソナルカラー診断させていただいたお客様とその後も会う機会があるのですが、表情や顔つきがパッと明るく変わっていくのが見ていてわかるんですよね。
色に興味を持って学びはじめる方もいらっしゃり、そこからどんどん変化していく姿が嬉しくて。
もともと自己肯定感が低かった方が、「自分に似合う色」を知って、選べる幅が広がっていく。そして、人に選んでもらったものではなく、自分で選んだものを身に着けて、誰かに褒められたときに「自信」が芽生えるんです。
それが「自己受容」につながって、さらに「いろんな人がいていい」という「他者受容」にもつながっていく。
そうすると、目に映る世界そのものが、広がっていくように感じます。
CLE協会に出会う前に別の教育機関で色彩を学んだ時は、ただひたすら覚えるという印象でした。色が持つ楽しさ、それを楽しませる工夫があまり感じられませんでした。 それに対して、CLEでは色を基点に視野を広げるための工夫がされていて、そこがとても良いと思いました。 また、仲間と一緒に学べる環境があることで、気づきをシェアできたり、人の考え方から新たな学びが得られたりと、理解がより深まります。 学びにおいて「人とのかかわり」がとても大切だと感じました。
カラー診断や講師としての仕事をするようになって改めて感じたのは、すべての原点にはネイルのお客様がいてくださったということです。
だからこそ、これからもネイルのお客様に還元していきたいという思いがあります。
そこに加えて、パーソナルカラーに興味を持ってくださった方々には、「色の面白さ」や「パーソナルカラーの活かし方」をしっかりと伝えていきたいです。単に流行やイメージで終わらせるのではなく、正しく理解してもらえるように努めたいと思っています。
私たちの身の回りには日常的に色が溢れていますが、意外とその“色”をちゃんと見ていないことも多いんです。
だからこそ、色に目を向けるきっかけを日常の中で感じてもらえたら嬉しいです。
人には本来、たくさんの可能性があるのに、自分でその可能性を狭めてしまうこともあります。 でも、色を通してその人の可能性を広げることができる——私はそんなサポートをしていきたいと思っています。
色の学びに出会い、お客様おひとりおひとりを大切に温かく寄り添う 山本恵子さん
外見からも内面からもイキイキと輝いておられる彼女の色彩人類学診断の結果はこちら