色彩雑学

色彩雑学|パーソナルカラーは一生モノなのか?

色彩雑学|パーソナルカラーは一生モノなのか?

先日、パーソナルカラー講座をした時のこと。

ある男性受講者さんが
「似合う色って、やっぱり季節によって変わるんでしょ」
そんな質問がありました。

夏が来るたび、この質問はたびたび出てくる。

「日焼けしたらやっぱり、パーソナルカラー変わりますよね?」

 

結論から言えば——
パーソナルカラーは日焼けしても変わりません。

では、なぜそんな疑問が生まれるのか?

 
実際に肌の色が変わると、今まで着ていた色に違和感を感じるのは確か。
 

今回は、日焼けとパーソナルカラーの関係について、深掘りしたいと思います。






そもそもパーソナルカラーとは


そもそも「パーソナルカラー」とは何なのか?

 

パーソナルカラーとは、その人が生まれ持った肌・髪・瞳の色と、それらがつくり出す“全体の調和バランス”から導き出される「あなたを最も輝かせる色」のこと。



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似合う色は、肌の色だけで決まるのではなく、
・肌の色み(色相)
・明るさ(明度)
・鮮やかさ(彩度)
・清濁感(濁りの有無)
・顔立ちの印象
などの総合的な特徴から診断されるものです。

 


その人の肌・瞳・髪などの生まれ持った色素バランスが基準になるため、髪色や肌の調子、年齢や季節によって多少の変化があるかもしれませんが一時的な日焼けや血色の変化では根本的な診断結果は変わりません

 

 

つまり、日焼けをしたからといって、あなたの「本当に似合う色」が変わるわけではないのです。







日本人の肌の平均明度


そもそも日焼けとは、紫外線から体を守るためにメラニン色素が増える現象

このメラニンは、肌を黒くするだけでなく、一時的に肌のくすみ感・濁り感を強く見せる傾向があります。
透明感がある肌の人ほど、日焼けによって一気に「濁り」が強くなったように見えやすいのです。

肌の明度をLightness値(L値)で表すと日本人女性の標準的な肌のL値は、65〜75前後とされています。

  • ・色白タイプ: L75〜80
    ・平均的な肌色: L70前後
    ・小麦肌/やや地黒: L60〜65



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  • 日焼けの程度や個人差にもよりますが、1〜2週間の屋外活動や海水浴などで焼けた場合はL値で5〜10ポイント下がるのが一般的と言われているので色白タイプのL75 → 平均的な肌色〜小麦肌L70〜65 といった変化が起こります。


明度(L) 肌の印象 色の映り方
75 明るく、透明感あり(ブルベ向き) パステルが映える
70 平均的な肌色 多くの色に馴染みやすい
65 やや健康的、小麦肌 鮮やか色や中彩度が似合いやすくなる
60以下 深みのある肌色、オークル系 高彩度・深み色がマッチしやすい


明度が下がることで似合う色の傾向が一時的にシフトすることがわかると思います。
これは、パーソナルカラーのベースカラーがブルベからイエベに変わったわけでも艶肌がマット肌に変わったという質感の変化ではありません。
パーソナルカラーの「ベース(色相)」や「質感」は変わりませんが、肌の明度が下がると、彩度が上がったような印象(黄み・赤みが強くなる)になり「映え方」「コントラスト感」「色浮き・沈み」に大きく影響します。

 

また、日焼け後は角質層が厚くなり、肌表面のキメが乱れたりゴワついたりします。
肌がなめらかでなくなることで、光が乱反射し、ツヤや明るさが損なわれるため、実際の色よりも「くすんだように見える」現象が起こります。


そのため、それまで似合っていたソフトで淡い色が肌に対して弱く見え、
・淡い色では顔がぼやけて見える
・高彩度
の色の方が顔にメリハリが出る
というコントラストの変化が「高彩度の色の方が似合ってきた気がする」と感じやすくなるのです。






シーズン別、日焼けによる
似合う色の傾向


パーソナルカラーの最も大きな特徴は似合うシーズンは「一生変わらない」ということ。
日焼けによって変わるのは肌と色との“コントラスト”が変化したために起こる、一時的な見え方の変化です。 


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【スプリングタイプ】明るくクリアな色が得意な黄み肌タイプ

日焼け後の肌傾向→ベージュ〜ライトブラウン
・明度がやや下がり、黄みが強く出る
・赤ぐすみは出にくいが、ツヤ感や透明感が減少しやすい

 

似合いにくくなる色(※一時的に)
・明るく淡いパステルトーン(特にアイボリーやシェルピンクなど)
 →肌のくすみと対比して色だけが浮いて見える

 

似合いやすくなる色(※日焼け肌でも調和)
・コーラルピンクやアプリコットなどのやや濃いめの暖色系
・ターコイズブルーやクリアなオレンジレッドなど元気なビビットカラー
 →肌の黄みと調和し、血色感を引き出す




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【サマータイプ】ソフトで明るく、青み寄りの肌を持つタイプ

日焼け後の肌傾向→ピンクブラウン〜くすみブラウン
・赤みが強く出る
・肌の透明感が減り、赤みと茶色が混ざったくすみカラーに
・肌の明度が下がり、血色が悪く見えることも

 

似合いにくくなる色(※一時的に)
・青みが強いパステルカラー(ベビーピンク、ラベンダーなど)
 →肌の赤ぐすみとぶつかり、くすんで見える
・明度の高いピンクやラベンダー
 →明度差が大きくなり、顔がぼやける

 

似合いやすくなる色(※日焼け肌でも調和)
・ミュートな中明度のブルーグレー、ローズピンク、スモーキーピンク
・「赤ぐすみを打ち消す」青系の中明度カラー
 →肌の赤みとバランスが取れ、顔色が整って見える




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【オータムタイプ】深みと黄みを持つ落ち着いた肌タイプ

日焼け後の肌傾向→健康的な黄褐色〜ブロンズ
・元々の肌トーンが深めなので、日焼けが自然に馴染みやすい
・赤みが出にくく、健康的な小麦色になりやすい

 

似合いにくくなる色(※一時的に)
・明るすぎる白やジェードグリーンなどの薄色
 →肌の深みと合わず、色だけが浮く
・ブルー系の色味

 

似合いやすくなる色(※日焼け肌でも調和)
・深みのあるアースカラー(テラコッタ、カーキ、オリーブ)
・日焼け肌と自然に調和するマスタード、パンプキン、ディープオレンジなどの濃い暖色




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【ウィンタータイプ】コントラストと青みを持つクールな肌タイプ

日焼け後の肌傾向
・赤みが強く出て「赤黒く」見える傾向
・肌の透明感が低くなり、重たい印象に見えやすい
・顔の立体感が失われ、クマや影が目立つことも

 

似合いにくくなる色(※一時的に)
・明度が高いアイシーカラー
 →肌の赤ぐすみと衝突して顔色が暗く見える

 

似合いやすくなる色(※日焼け肌でも調和)
・中〜濃色のネイビー、ボルドー、ロイヤルブルー、ディープパープルなど
・「赤みのある肌を引き締める」冷たい色相の深めのカラー
 →肌の赤みとコントラストをとりながら整った印象に







季節が変わっても
らしさは変わらない


パーソナルカラーは、生まれ持った肌・瞳・髪の質感の調和で決まる“本質の色”。
一時的な日焼けや季節の変化で、パーソナルカラー自体が変わることはありません。
それは、年齢を重ねて肌が変化してきても同じこと。

似合う色が少し変わってきたなと思う時ほど新しい色にチャレンジしてみるチャンス
肌に映える色が変わることはあなたの色の可能性がひとつ増えた証。
 

  • 透明感を取り戻すために艶のある素材や光を取り入れる
    チークやリップに高彩度色を足すことで血色感を回復させる。

色はあなたらしさに気づく最高のツール。
365日同じではなじ自分自身に寄り添いながら、本来の自分”らしさ”知って、もっと軽やかに・もっと自由に色を楽しんでくださいね。

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心に関わるパーソナルカラーの執筆はCLE協会へ

色が人に与える影響は意外にも大きく、
毎日、朝起きてから色を選ぶという「選択」を私たちは無意識に行なっております。

1980年代に日本へ渡ってきたパーソナルカラーを‘日本の国民性’に合わせたパーソナカラーとして

CLE協会は【外見の似合う色と性格傾向の特性】に関するパーソナルカラーを提唱しております。

  • 同質性と異質性の違いによる心理的な色の選び方
  • パーソナルカラーを自己受容へ活用
  • 4つの個性がチームを動かす、パーソナルカラー×チームビルディングについて
  • 自己を見つめる時間、リフレクションとパーソナルカラーの可能性

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