色彩雑学
色彩雑学|秋の到来に外せない、3つのKey Colorとは
2025秋冬が本格的に始まる前に押さえておきたいトレンドカラー。
まだまだ暑さは残るけれど、秋の気配を確実に感じる今日この頃。
今シーズンはどんな色が気になりますか?
2025年秋冬、ファッショントレンドは世界情勢の不安定さや環境問題、AIの加速などを背景に、
・静かな強さ
・内面の豊かさ
・自然との共鳴
がキーワードになっています。
目まぐるしく変わる日常の中で、毎日膨大な情報を受け取る私たち。
情報社会の中にいる私たちは平安時代の一生分の情報をたった一日で受け取っていると言われています。
スマホを持てば、一瞬で大量の情報が流れ込み、便利になった一方で情報が増えれば増えるほど、
「いったい、何が正解か」
「どこに向かうのが正解か」
心の中の自分自身がわからなくなることがどんどん増えていく。
そんな中で、
「これって本当に自分が欲しいもの?」
「周りに合わせすぎて、わたしらしさが置き去りになっていない?」
「心地いいってどんな感覚だったけ?」
2025-26年の秋冬のトレンドには、
改めて、自分に問うことで自分の内側の感覚を取り戻そうとするそんな流れが生まれているのです。
変化のスピードが増し、先の見えない時代の中で、私たちが求めているのは「本質」や「安心感」。
今回は、そんな2025AWの注目カラーを世相や心の動きとともに紹介したいと思います。
今季の大注目カラー、赤。
ファッショントレンドも、メイクも、この秋は赤がマストカラー。
赤は「情熱・行動力・生命力」の色。
揺れる時代にあっても「私はここにいる」という存在感を与える色。
【色傾向】
・鮮やかだけれど、ビビッドすぎない赤がトレンド
・”エコ”は今シーズンも外せないキーワードのため、赤に黒や茶を足した自然を感じる色味
・温かみのある濃厚な赤
【背景】
社会不安や気候変動による「揺れる世界」において、自分の「信念」や「情熱」を再確認する動きが強まり、赤が“強さ・自己主張・エネルギー”の象徴に。
グローバルなムードとしても「闘う赤」が再評価。
派手ではなく品格ある存在感を放つディープレッドは自分の中の信念を映し出す色としてトレンドに。
ニュートラルカラーは「安心」「均衡」「余白」を象徴する色。
派手さを抑えることで、情報過多の時代に
「思考を整理する色」
としてニュートラルカラーがトレンドに。
「調和」と「中立性」を表すグレー。
「ぬくもり」と「安心感」を表現するベージュ。
「自分らしさを守りながら、柔らかく社会と調和する」そんな心理的効果をもたらすのがニュートラルカラー。
【色傾向】
・グレージュ、ストーングレー、くすみベージュ、シルバーグレーなどの主張しない色
・ニュートラルカラーだけれど、退屈なカラーではなく、柔らかく、穏やか色味を感じる色
【背景】
目立つことより、内側の豊かさや自分らしい美意識を大切にする価値観が広がっています。
ロゴや派手な装飾を避け、上質な素材感と落ち着いた色で魅せる「Quiet Luxury(静かな贅沢)」がトレンドに。
内面を大切にする時代の感性に合う、控えめで洗練されたニュートラルカラーは「個性を引き立てる余白の色」として欠かせないカラーに。
デジタル疲れとナチュラル思考。
切っても切れない新時代のキーワード。
紫はテクノロジーを感じさせる一方で、神経を鎮める色。
自然を感じさせるグリーンとの合わせが新時代を彩るカラーとしてトレンドに。
テクノロジー vs 人間性、不安 vs 希望 というように社会の二極化がすすむ今だからこそ、紫は「その間をつなぐ色」として人の心に響いている。
【色傾向】
・ラベンダーグレー、ダスティピンク、ブルーグレーなど、柔らかな幻想感をもつレトロパステル
・デジタルを思い出させる鮮やかな紫とナチュラルなアースカラーの組み合わせが新しい
・明るいライラック系の紫はデジタル疲れやストレスを癒し、パープルは秋の新しいピンクとして台頭
【背景】
パンデミック後、「自分らしさ」を色で表現する動きが拡大し、自己表現が強まりパープルは「感性・精神性・独自性」を表す色として、個性を出したい時代の流れと合致。
また、多様性の時代に、「女性らしさ」の象徴としてのピンクよりも中性的で世代や性別を問わないパープルの方が現代の価値観とマッチし、ピンクに変わる色として出てきている。
自然(エコ)が切り離せない、今、デジタルカラーのパープルとナチュラルさを出すグリーンとのテクノロジー+自然との融合は新時代のキーワードに。
トレンドカラーにはその時代に生きる人々の「心の動き」が現れます。
2025年秋冬は、
【内省と再構築】外の基準ではなく、自分の心に耳を澄ませる。
【静かな強さ】派手さではなく、内面の意思を映す色。
【持続可能な美意識】一瞬の流行ではなく、意味のある色を選ぶ
この3つがキーワード。
どの色も内面の静けさ・信念・癒し・温もりなど、自分自身に立ち返るためのヒントを秘めています。
パーソナルカラーの本質は、単に外見を整えるだけのファッションツールではなく、内面をどう整えたいかを色でサポートすること。
この秋冬は、流行を追うよりも、 「心に寄り添う色」 を纏うことが大切。
自分自身を振り返り、
自分らしさを、日々、自分に問う。
心にも外見にも似合う色を纏うことで、きっと日々に小さな勇気を与えてくれるはずです。
ぜひ、2025-26年AWのトレンドカラーを参考に自分らしさを見つけてくださいね。
色が人に与える影響は意外にも大きく、
毎日、朝起きてから色を選ぶという「選択」を私たちは無意識に行なっております。
1980年代に日本へ渡ってきたパーソナルカラーを‘日本の国民性’に合わせたパーソナカラーとして
CLE協会は【外見の似合う色と性格傾向の特性】に関するパーソナルカラーを提唱しております。
原稿執筆に関する依頼相談は当協会へお問合せください。色彩学に強い色彩ライターへお任せください。