色彩雑学
色彩雑学|色は勝敗を左右するのか!? 勝者の色彩心理
娘が小学校高学年だったとき。
運動会の前日に、白組だった娘が
「明日、絶対負けると思う」
「だって、赤組が勝つって決まってるもん」
そう言い出しました。
最初は、強い子が赤組に揃っているのかと思っていたのですが
話を聞いていると
ここ何年か、赤組の勝ちが続いているそう。
だから、子どもたちの間では
「赤組勝つ」
神話が出来上がっているようでした。
色は人の心や脳に作用する。
だから、身につける色によって勝敗が左右してもおかしくない。
確かに運動会では、
赤組が強い、そんな雰囲気を無意識に感じていた気がします。
実際、スポーツ心理学では以前から、
「色が人の心理や勝敗に影響を与える可能性」
が研究されています。
娘が言っていた、「赤組勝つ」神話は単なる感ではないのです。
そして、サッカーのワールドカップが近づく今、
気になるのは
「スポーツという勝負の場に、勝ち色があるのだろうか」
ということ。
6月のコラムは、今から盛り上がるサッカーW杯を
色が勝敗を左右するのかという視点で徹底分析してみたいとおもいます。
「赤いユニフォームは勝率に影響するのではないか」
これは感覚論ではなく、
スポーツ心理学や進化心理学の分野でも長年注目されてきたこと。
特に有名なのが、
2005年にNatureで発表された研究。
研究者たちが注目したのは、
動物界において赤が
のサインとして使われていることでした。
実際、サルや鳥などでも、
赤みが強い個体は「強いオス」
として認識されやすいことがあります。
そこで研究者たちは、
「人間にも、赤に対する本能的反応が残っているのではないか」
という仮説を立てたのです。
その検証に使われたのが、2004年のアテネオリンピック。
ボクシング・テコンドー・レスリングなどの格闘競技では、
赤と青のウェアがランダムに割り当てられていました。
実力によって色を選んでいたわけではないため、
「色そのものの影響」を比較しやすかったのです。
その結果、
同程度の実力同士の対戦では、
赤いウェアを着た選手の方が勝率が高い傾向が見られました。
研究者たちはその理由として、
・赤は「支配」や「優位性」を連想させる
・相手に威圧感を与える
・本能的に「強そう」と感じさせる
可能性を指摘しています。
実際、人間は太古の昔から、
赤を「危険」「血」「興奮」「闘争」と結びつけてきました。
つまり赤は、
脳の「本能」に近い部分へ働きかける色でもあるのです。
娘が感じていた
「赤組の方が勝ちそう」
という感覚も、単なる気のせいではなく、
脳の本能に近い部分に響いたからかもしれません。
さらに面白いのが、
色が見る側にも影響を与えるという点。
いくつかの研究では、
という傾向が報告されています。
つまり、
審判や観客の無意識にも、「赤」という色が作用している可能性があるのです。
もちろん、色だけで勝敗は決まりません。
けれど人間は、
「視覚情報」を無意識に判断材料にしています。
スポーツが「メンタルの勝負」である以上、
色の影響は想像以上に大きいのかもしれません。
サッカー界にも、赤を象徴する強豪国があります。
例えば、サッカースペイン代表。
スペイン代表のサッカーは、
精密なパスワークで試合を支配し、同時に「相手にボールを渡さない圧力」が特徴。
スペインのサッカーには、「情熱で押し込む熱量」があるのです。
また、ポルトガル代表も、赤を基調としたユニフォームが印象的。
個の力で局面を打開し、一瞬の爆発力で流れを変える。
そこには、赤が持つ「瞬発的エネルギー」が重なります。
さらに、赤い悪魔の愛称で知られるベルギー代表は
圧倒的な攻撃力と個の破壊力で世界を脅かしました。
赤い悪魔という名前そのものに、相手へ威圧感を与える心理的な強さがあります。
赤はただ目立つ色ではなく、「迫ってくる感覚」を生み出す色。
赤いチームは、空気を一気に変える強い力を持っている。
みている私たちにもスタジアム全体の温度を数度上げる、そんな感覚が生まれる強さがあるのです。
ユニフォームイメージ
赤は、スポーツにおいて「強さ」や「支配性」を象徴する色。
実際、赤いユニフォームは相手に威圧感を与えやすいことが研究でも示されています。
だけど、興味深いのは、ワールドカップ優勝国には、青系ユニフォームが多いのです。
優勝時のユニフォームカラーを分類すると、
青系:約12回
黄色系:5回
白系:4回
赤系:2回
サッカーは、単に体力だけで戦うスポーツではありません。
・空間認知
・判断力
・状況分析
・仲間との連携
・時間感覚
など、常に頭を使い続け、冷静に判断を続ける競技です。
だからこそ、
感情をコントロールできるかが極めて重要。
色彩心理において青は、
・冷静
・集中
・判断力
・信頼
を象徴する色。
さらに青は、脳の興奮を鎮め、冷静さを保ちやすくすると言われています。
だからこそ、歴代優勝国には、青系ユニフォームが多いのかもしれません。
特にイタリア、フランス、アルゼンチンは、
・試合をコントロールする
・流れを読む
・組織で戦う
・プレッシャーの中でも冷静さを失わない
そんな知性を感じさせるサッカーが特徴的。
赤が「火をつける色」なら、
青は「試合を整える色」。
サッカーというスポーツの本質は、「青」の色の本質に近いのかもしれません。
サッカー日本代表は「サムライブルー」の愛称で知られています。
その象徴的な青は、
1936年のベルリンオリンピックで、
日本代表が強豪スウェーデンに逆転勝利した
「ベルリンの奇跡」をきっかけに、
勝利を呼ぶ色として呼ばれています。
日本では古くから、
藍色は「勝色(かちいろ)」とも呼ばれ、
武士たちが勝利への願いを込めて身につけていた色でもあります。
そんな背景も重なり、「サムライブルー」という名前には、
・冷静さ
・規律
・団結力
・最後まで諦めない精神
といった、日本代表らしいイメージが重ねられています。
日本代表のサッカーもまた、個の力だけで押し切るというより、
・組織で戦う
・状況を読む
・粘り強く戦う
という、「青らしい戦い方」が特徴です。
赤のように感情を爆発させるのではなく、青で自分を律しながら戦う。
その姿勢は、どこか日本人らしさとも重なって見えるのです。
ユニフォームカラーは、ただのデザインではありません。
そこには、
国民性や戦術、美意識や戦い方まで映し出されています。
赤で勢いを作るのか。
青で試合を支配するのか。
ワールドカップが始まるこれから、ぜひユニフォームの色とその戦い方にも注目して観戦してみてください。
色が人に与える影響は意外にも大きく、
毎日、朝起きてから色を選ぶという「選択」を私たちは無意識に行なっております。
1980年代に日本へ渡ってきたパーソナルカラーを‘日本の国民性’に合わせたパーソナカラーとして
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