色彩雑学
色彩雑学|色彩検定2級は役に立たない 20代ではわからなかった色を学ぶ価値
「色彩検定2級」と聞くと、
配色を学ぶ資格。
センスを磨くための資格。
ファッションやデザインに役立つ資格。
そんなイメージを持つ人がほとんどではないでしょうか?
もしかしたら、色の理論を知ることなど、自分の人生には必要ない。
そう思う人もいると思います。
でも本当は、色の知識は
子どもとの関わりにも
人との関わりの中にも
自分を理解することにも
日常のさまざまな場面に溢れています。
私自身、そのことに気づいたのは、
資格を取って何年も経ってからのことです。
私が色彩検定の資格を取ったのは20代前半。
何者かになりたくて、必死になっていた時期。
それから20年近くが経ち、
妻になり、母になり、
「私」という感覚が少しずつ後回しになっていく中でこそ、
この学びに価値があったのだと気づいたのです。
色彩検定2級は単なる色の知識ではなく、
そんな「人と色の関係」を理解する学びでもありました。
7月のコラムは、私の経験とともに色彩検定を受ける意味をお伝えしたいと思います。
就職氷河期。
そう言われる時代に、女子で4大卒。
特に秀でた資格も特技もなかった私はなかなか内定がもらえませんでした。
希望する職種は全滅だったし、
不採用通知が来るたびに自分を全否定されている気がしてさらにやる気が起きなくなっていました。
今思えば私は、
「何者かになりたかった」のだと思います。
でも、どうすればいいのかわからない。
ただ焦りだけがあった時期。
そんなとき、ふと思い出したのが、
ファッションデザイナーを目指す憧れの人が持っていた色彩検定のテキスト。
大学では心理学を専攻し、色彩心理について論文を書いたこともあった私は、
「就職すること」ではなく、
フリーターになって、色を学んでスキルを身につけることを選びました。
色彩心理、パーソナルカラー、色彩検定
気づけば私は、色に関する資格を取り続け、就職したのはアパレル会社の販促部。
当時、社内に色の資格を持った人がいなかったこともあり
スタッフ向けの色彩研修を担当したり
売り場に立ってパーソナルカラー診断も行っていました。
色の知識は、説明が必要な研修の場ではとても役に立ちましたが
それは理論的なことで
正直に言うと、色彩検定の知識なんて、実生活の中ではあまり役に立たない。
私はそんなふうに感じていました。
詰め込んで詰め込んで覚えた色の知識は
試験が終わればすっかり忘れていたし
私にとって色彩検定は
「公的資格が欲しい」
それ以上でも、それ以下でもなかったのが本音です。
今思えばあの頃の私は、
色彩検定の知識をただ、公的資格がもらえる色の知識ぐらいにしか思っていなかったのです。
そんな私の考えが大きく変わったのは、子どもが生まれてから。
色彩心理も脳科学も勉強していたので色が子どもの脳の発達にいいと知っていたからこそ
子育てでは色を使って気持ちを会話したり
見ている色を言葉にして伝えたりとしていたのですが
ある日、夕方に子どもと歩いていたとき
昼間は鮮やかに見えていたオレンジ色の花を見て、
子どもが不思議そうに言いました。
「昼はすごく目立ってたのに、暗くなると全然見えないね」
その瞬間、「うわぁ」と鳥肌がたったのを覚えています。
この現象、色彩検定2級で学ぶ「プルキンエ現象」なんです。
人は暗くなると、
赤やオレンジなどの暖色系は見えづらくなり、
反対に青系の色の方が見えやすくなる。
昼と夜で、色の見え方そのものが変化する現象。
当時は「試験のための知識」として丸暗記した知識。
その知識を、今、目の前で、
子どもが感覚的にその変化を感じている。
私はそのとき初めて、
色彩検定で学ぶ知識は、特別な世界の話ではなく、
毎日の景色の中に、確かに存在しているのだと実感したのです。
そしてこの知識は、実際の暮らしにもつながっています。
例えば、夕方や夜道で子どもに着せる服。
昼間は明るく目立つと思っていたオレンジや赤よりも、
暗い時間帯は青系の色の方が視認性が高くなることがある。
そうした「色の見え方」を知っていることで、
感覚だけではなく、安全面も含めて服の色を選べるようになる。
色彩検定2級で学ぶ知識は、単なる暗記ではなく、
「人がどう色を見ているのか」
を理解し、暮らしに活かしていくための学びでもあったのです。
色彩検定2級で学ぶのは、
など、一見するとファッションやデザインに興味がある人のための学びだと思われがちです。
でも本当は、
「なぜこの色に惹かれるのか」
「なぜこの配色を見ると安心するのか」
「なぜこの空間は居心地がいいのか」
そんななんとなく感じていたことを、
言葉にできるようになる学びなのだと思います。
子どもを自転車の後ろに乗せて、毎日保育園へ送っていた頃。
「今日は昨日より青が明るいね」
「なんだか少しくすんだ空だね」
「今日は重たいグレーの空だね」
私は、息子に毎日色の3属性の特徴を使って空や見える景色の色の違いを言葉にしていました。
「青」にだって、いろいろな青がある。
明るい青。
澄んだ青。
少しくすんだ青。
重たく感じる青。
色の違いを知っていることで、
なんとなく見ていた景色を、言葉にできるようになる。
そしてある日。
空を見上げた息子が、突然
「今日ね、虹が出るよ」
そう言ったのです。
私はその言葉を聞いた瞬間、
毎日空の色の話をしていたことで、
息子なりに虹が出る空の色を感じ取っていたのだと気づきました。
色は、ただ見るものではなく、
空気や気配まで伝えてくれる。
そしてその感覚は色の知識があることで、
言葉にすることができ、ただの日常を豊かにしてくれるんだと感じたのです。
色彩検定ではJIS慣用色名という、色名についても学びます。
例えば、
桜色
若草色
紺青
杏色
以前の私は、
こうした色名を「試験のための暗記」だと思っていました。
でも今は、色名を知ることで、
ただのピンクだった景色が、春の暖かい空気を纏う桜色になる。
ただの緑だった葉っぱが、爽やかな風を感じる新緑の若草色になる。
色名を知り、日常の中でそれを感じることで、その色に空気や質感をもたらすことができるのです。
すると不思議なことに、
景色の見え方だけではなく、
日常の会話まで変わっていくのです。
「あの空、今日は少し紺青に近いね」
「この花、杏色みたいだね」
色に名前がつくことで、
感情や風景の解像度が上がっていく。
色を学ぶことは、単なる知識ではなく、
世界を丁寧に見るための視点を与えてくれる
そんな学びなのです。
20代の頃の私は、
「学んだことが、すぐ役に立つか」
でしか学びの価値を測れませんでした。
でも本当は、
学びには「時間差」が存在するのだと思います。
知識は、すぐに結果になるものばかりではありません。
何年も経ってから、
子どもとの会話の中で
暮らしの中で
誰かを理解したいと思ったときに
点のように散らばっていた知識が、
ある日突然、線のようにつながっていく瞬間がある。
色彩検定の知識は、まさにそんな学び。
私は子育てに奮闘している方や、
「このままでいいのかな」
「私は何をしたかったんだろう」
そんなふうに立ち止まっている30代・40代の女性にこそ、色を学んでほしいと思っています。
色は、外見を整えるだけのものではありません。
自分を理解すること。
相手を理解すること。
言葉にならない感情に気づくこと。
色彩検定2級は、
そんな「人を見る力」「自分の心」を育てる学びでもあるからです。
色が人に与える影響は意外にも大きく、
毎日、朝起きてから色を選ぶという「選択」を私たちは無意識に行なっております。
1980年代に日本へ渡ってきたパーソナルカラーを‘日本の国民性’に合わせたパーソナカラーとして
CLE協会は【外見の似合う色と性格傾向の特性】に関するパーソナルカラーを提唱しております。
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