色彩雑学
色彩雑学|トレンドカラー 心を立て直す春のピンク配色
寒さで身体がこわばり、外に出るのが億劫に感じらる2月。
無意識のうちに体は丸まって、活動量は減り、自然光を浴びる時間も短くなっている気がします。
寒さが人の体を固まらせてしまうこの時期、
身体だけでなく心にも影響を及ぼします。
心は暖かい季節に比べて
「前へ進むための刺激」
より
「緊張をほどき、感情を安定させる」
ことを求めます。
光刺激や運動量の低下は意識を外側への関心から内側の感情や思考へと向かいやすくなるからです。
そんな2月は目標達成や行動を促す色ではなく、自分を整え、やさしく立て直すための色が自然と必要とされるのかもしれません。
色は、心や行動に影響を与えるもの。
寒さが残り、気持ちも揺れやすい2月は、がんばって前向きになるよりも、今の心をそのまま受け止め、整えていくことのほうが、しっくりとくる。
2月の色彩雑学では自分自身を見つめ直すのに最適な色、JAFCAの2026年メッセージカラーのもなったピンクについて、パーソナルカラー別活用法と色の心についてお伝えしたいと思います。
February(フェブラリー)の語源は、
ラテン語 februum ──「清め」「浄化」を意味する言葉に由来します。
古代ローマ暦において2月は、新しい年を迎える前に心身や社会的関係を整えるための、調整と再構築の月とされていました。
古代ローマでは2月は「始まりの月」ではなく、始まる直前の月として位置づけられていたのです。
そんな物事を始めるのに自分を整える期間、2月にピンクは心を整えるためにも必要な色。
ピンクは、赤に白を加えて生まれる色。
赤が持つ情動性・生命力・エネルギーに、白が介在することで、刺激が中和され、感情は穏やかに整えられていきます。
つまりピンクとは、
感情を高めるための色ではなく、
感情を整えるための色なのです。
寒さによって表情や身体がこわばりやすい2月は、ピンクが心理面だけでなく、「心と表情」の両方にやわらかな緩みをもたらしてくれます。
勢いで進むのではなく、「見直し」「選別」し、過剰なものを「削ぎ落とす」。
次の一歩に向けて、静かに準備を整えるための時間。
外向きのエネルギーから、内省と再調整へとベクトルが切り替わる。
現代の暦においても、2月は同じ役割を担っているように思います。
ピンクには、「可愛い」「甘い」「女性的」そんなイメージがあります。
しかし、2026年のメッセージカラーとして選ばれたピンクは、単なる装飾的な「可愛さ」ではありません。
分断、不安、スピード、競争。
強さを求められ続けてきた社会の中で、これからの時代に必要とされているのは
「共感する力」「受け入れる力」「関係性を回復する力」です。
ピンクは、誰かに守ってもらう色ではなく、自分自身と、そして他者を大切にしようとする意思の色。
ピンクの色彩心理には
・緊張を和らげる
・攻撃性を抑える
・孤独感を軽減する
・自己肯定感を回復させる
といった作用があると言われています。
2月は、
バレンタインに象徴される「想いを届ける」行動が増える一方で、進級・異動・環境の変化を前に、人との距離感や自分の立ち位置を見直す時期でもあります。
だからこそこの時期のピンクは、「誰かに見せるための色」ではなく、自分の内側に効かせる色として使うのがおすすめなのです。
心と環境の切り替え時期、2月。
そんな時期にぜひ、参考にしてほしいのが「再起動ピンク配色」
ここからは【心の状態】×【パーソナルカラー】を組み合わせて今の自分を整える選び方をご紹介します。
疲れているとき | ピンク × ベージュ
疲労感が強いとき、人は無意識に刺激を避けようとします。
ピンクのやさしさに、ベージュの低刺激で安定した色が加わることで、感情を動かしすぎず、心身を「休ませる方向」へ導く配色になります。
ベージュは環境色としての安心感が高く、ピンクの甘さを抑えながら、受容と回復を促す役割を果たします。
自信が持てないとき | ピンク × ネイビー
自信が揺らいでいるときに必要なのは、高揚ではなく自分軸の再確認。
ネイビーは信頼・秩序・知性を象徴する色。
そこにピンクを合わせることで、感情を否定せずに、内側から静かな強さを立て直す配色になります。
「弱さを抱えたままでも立っていていい」
そんな心理的メッセージを含んだ組み合わせです。
不安定なとき | ピンク × グレー
感情が揺れやすい状態では、刺激やコントラストが強い配色は逆効果になることがあります。
グレーは感情の振れ幅を抑える無彩色。
ピンクの情動性を受け止め、過剰にも不足にも傾かないバランスを生み出します。
心を「前向きにする」のではなく、まずは安定させるための再調整配色です。
前向きになりたいとき | ピンク × ホワイト
白はリセットと可能性の色。
ピンクと組み合わせることで、感情を整えながら、次の一歩へ向かう余白をつくります。
無理に背中を押すのではなく、「もう一度始めてもいい」と思える心理状態を支える配色。
スプリングタイプ
明るさと親しみやすさを取り戻す配色
スプリングタイプの魅力は、前向きさとキラキラ輝く明るい印象です。
調子を崩すと、その明るさが弱まり、元気のない印象になりがちになります。
そこで意識したいのは、「温かみ」と「軽さ」を補う配色。
✔️ 疲れているとき
コーラルピンク × ハニーベージュ
→ 表情にやわらかさと活力を戻す
✔️ 自信不足のとき
ピーチピンク × ライトネイビー
→ 明るさと信頼感を両立
✔️ 不安定なとき
シャルピンク × ウィームグレー
→ 気持ちを穏やかに整える
✔️ 前向きになりたいとき
マリーゴールド × アイボリー
→ 行動力を引き出す配色
サマータイプ
透明感と安心感を引き出す配色
サマータイプの強みは、やさしさと共感力、繊細な美しさです。
心が揺れると、疲れや不安が表情に出やすくなります。
大切なのは、「柔らかさ」と「落ち着き」のバランスです。
✔️ 疲れているとき
パウダーピンク × ピンクベージュ
→ 深いリラックス効果
✔️ 自信不足のとき
ローズピンク × ネイビーブルー
→ 繊細さに芯を加える
✔️ 不安定なとき
オールドローズ × シルバーグレー
→ 感情をフラットに戻す
✔️ 前向きになりたいとき
ディープローズ × オフホワイト
→ 軽やかなスタート配色
オータムタイプ
安定感と包容力を高める配色
オータムタイプの魅力は、落ち着きと信頼感、安心感です。
疲れが出ると、重たく見えたり、元気がない印象になりがちです。
意識したいのは、「深み」と「ぬくもり」の活かし方。
✔️ 疲れているとき
カメオピンク × サンドベージュ
→ 心身を包み込む組み合わせ
✔️ 自信不足のとき
サーモンピンク × インクブルー
→ 大人の説得力を補強
✔️ 不安定なとき
テラコッタピンク × グレイカーキ
→ 安心感を取り戻す
✔️ 前向きになりたいとき
ダスティピンク × オイスターホワイト
→ 軽やかさをプラス
ウィンタータイプ
存在感と洗練を引き出す配色
ウィンタータイプの強みは、華やかさとシャープな印象です。
調子を崩すと、印象が弱くなったり、ぼやけやすくなります。
大切なのは、「メリハリ」と「スッキリさ」のある配色。
✔️ 疲れているとき
アイシーピンク × グレイッシュベージュ
→ 強さを残しながらやさしく整える
✔️ 自信不足のとき
チェリーピンク × ミッドナイトネイビー
→ 知性と品格を強調
✔️ 不安定なとき
ピオニーレッド × スモークグレー
→ 感情を落ち着かせる
✔️ 前向きになりたいとき
ショッキングピンク × ピュアホワイト
→ 主役感を高める配色
色は、心を動かすための道具ではなく、その時々の心の状態を、無理なく支えるためのもの。
だからこそ、パーソナルカラーは単に
「似合う・似合わない」を決めるためだけのものではありません。
自分の肌や印象と調和する色を身につけることは、心と外見のズレを小さくし、自分自身を安定した状態へと戻してくれる行為でもあるのです。
February──「清め」「浄化」の月に、2026年のメッセージカラーとして示されたピンクは、前に進むための勢いではなく、
整え直すためのやさしさを私たちに思い出させてくれます。
何気なく色を選ぶのではなく、「今の自分に必要な色は何か」を意識して選ぶこと。
それは、感情を変えようとすることではなく、今の自分を受け止め、支えるための小さな選択です。
自分に調和するピンクをまとう、今の自分に何が必要なのかで色を選択する。
それは、感情を無理に変えるためではなく、心の状態を正しく受け取り、次の季節へ向かうための土台を整える行為です。
2月という「調整の月」に、色を意志を持って選ぶことそのものが、すでに再起動の第一歩なのかもしれません。
色が人に与える影響は意外にも大きく、
毎日、朝起きてから色を選ぶという「選択」を私たちは無意識に行なっております。
1980年代に日本へ渡ってきたパーソナルカラーを‘日本の国民性’に合わせたパーソナカラーとして
CLE協会は【外見の似合う色と性格傾向の特性】に関するパーソナルカラーを提唱しております。
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